理事長所信

一般社団法人町田青年会議所

2019年度 理事長所信

第52代 理事長 戸塚 正人

52st President  Masato totsuka

未来へのSTART!今こそ叫べ、青年の夢!!
~One for all All for oneの街づくり~

 

【はじめに】

戦後の混迷を極めた日本。その荒廃した我が国の再建という理念の下、48名の青年が集い、1949年9月東京商工青年会議所が設立されました。「新日本の再建は我々青年の仕事である。」これは設立趣意書の冒頭に書かれた言葉であり、まさに戦後日本の復興を目指した理念の象徴でもあります。そして1967年11月2日に町田青年会議所は創立し、2017年度に50周年を迎えました。この間我が国日本は世界に類を見ない高度経済成長を遂げ、インフラ整備・技術革新等が急激に進みました。その後バブル経済の崩壊を経て日本経済は未だ明確な好転が見られないまま、今を迎えています。

また追い打ちをかける様に2011年の東日本大震災をはじめ2016年の熊本地震、そして昨年には近畿地方や北海道で震災が起き、中国・四国地方では大規模な豪雨災害が発災しました。この各地の災害は多くの国民を悲しみに包み、新たな試練を日本に与えました。この様な混沌とした時代であるからこそ、今こそ我々青年会議所は青年としての行動力を最大限に発揮し、この新たな国難にも立ち向かわなければなりません。我々は5年後・10年後を見据えて今何をすべきかを議論し、この地域の未来の為、祖国日本の未来を創る為に運動発信をしなければなりません。

 

【人材育成から運動発信する組織】

町田青年会議所はこれまで公開討論会の先駆けである「市長候補者に聞く」事業や町田市で初めての市民祭である「23万人の個展」、今や全国的に知れている「町田方式」を取入れた「献血運動」等、町田市における市民運動史に大きな意義のある事業を行ってきました。そしてこの運動史における資料は貴重な財産として今も保管されております。この様な貴重な資料は先人たちの運動の軌跡としてしっかりと後世に紡いでいかなければなりません。そして我々一人一人がこの特筆すべき運動史をしっかり理解しなければいけません。本年度はこうした町田青年会議所の運動史をデータ保管し、メンバーの誰もが町田青年会議所の運動史と理念、先人たちの想いを伝承出来る環境を整備して参ります。

青年会議所は会議所であり徹底的に議論を交わす場です。我々はこれまでも多くの運動を発信してきましたが、その背景にはしっかりその事業を支える組織があったからこそ成り立ってきたのだと考えます。いくらいい事業計画を立てたとしても、地域や時代に対応出来る組織でなければ「よりよい」ものにはなりません。既成概念に囚われず新たな取組に挑戦し、時代に求められる組織を目指すと同時に組織としての理念を忘れず地域に根差した運動を支える組織を確立して参ります。また、町田青年会議所は素晴らしい歴史と伝統を紡いでいる団体ですが、地域に出れば出る程まだまだ地域に根差せておらず、知名度が十分ではない事に気付かされます。どんなに素晴らしい事業を展開しても、それが街の人々に知ってもらい賛同を得る事が出来なければ、その事業は志半ばで終わるでしょう。近年広報手段は年を過ぎる毎に目まぐるしく変化をしています。様々な広報手段の導入をしながら広報の充実を図り、各種マスメディアとの連携を図りながら我々の運動発信に努めて参ります。

この街には多くの青年経済人が新たなビジネス環境を求めて集まってきます。地域の青年経済人が今以上にスキルアップし街への愛着が深まれば間違いなく街は活性化します。我々は町田という地域の為、今何が国や地域で課題となっていて、将来的にどの様にしなければならないのかを議論出来る地域のリーダーとならなくてはなりません。そして地域から一目置かれる存在とならなければなりません。その為には、この青年会議所という限られた時間の中で国や地域の社会状況を把握出来る人材育成をしていく必要があります。

昨年度は多くの新たな仲間が町田青年会議所に加わり、新たな力として様々な運動発信をする事が出来ました。本年度は入会3年未満の新入会員が約7割を占めるという状況でもあります。この状況下において、どの様に青年会議所という組織の魅力を伝え、その運動意義を紡いでいけるかという事は喫緊の課題であると認識しています。

その為本年度におきましては、まず新入会員への学びの場を定期的に提供し続け、新入会員に先ずは青年会議所の魅力や組織について学び、その他のメンバーも青年会議所を再確認出来る環境を整えます。また、5年後の人材を育成する為、メンバー一人一人がそれぞれの立場で今青年会議所として地域課題に対し何をするべきかを念頭におき、本来青年会議所のあるべき姿を議論する場を提供し続けます。そして、より地域の為の運動が展開出来る人材育成を行って参ります。

 

【町田という地域と共に歩む組織活動】

町田青年会議所はこの51年という歳月の中で「23万人の個展」や「まちづくりワイワイ祭」、「まちたからフェスタ」等多くの地域諸団体の支えがあり運動発信をして参りました。あらゆる方々と運動を起こし切磋琢磨する事で我々は様々な価値観や物事の良し悪しを知る事ができ、地域の事をより知る事が出来ます。この事で我々は人間として磨きがかかり、その経験の中で地域に信頼される人間となり組織としても地域に根差す事が出来るのです。地域にはまだまだ私達の知らない街の為に活動している方々が多くいます。本年度は地域に根差す事を念頭におき、地域で活動する方々を巻き込み共に運動する機会をつくり、相互に地域愛を育み、街を明るく豊かにする運動を展開して参ります。

2011年の東日本大震災以降、震災・水害等の大規模災害が全国各地で頻発しています。もはやこれは異常気象という言葉だけでは片づけられない状況であり、我々の住むこの街でもいつ何が起きてもおかしくない状況にあります。その様な状況の中で町田青年会議所は2015年10月に町田市と「災害時における物資の供給及び輸送に関する協定」を締結し災害発生時における物資供給及び輸送についての協力体制を敷いています。我々はこの町田市との協定をより意味のあるものにする為、防災・減災の視点に立った情報交換等の関係性を日頃から取っていく事が必要です。町田市・社会福祉協議会、関係諸団体と連携をした運動を展開し、防災・減災の街づくりの必要性を発信して参ります。

 

【町田の社会状況を鑑みた経済活性化の創造】

日本の経済は20年以上続いた経済不況から回復しようとしています。アベノミクスという大胆なデフレ脱却策を打ち、為替や株価の経済指標は大きく改善し、企業の収益も大きく改善されたと言われています。この様な景気回復は雇用状況を大きく改善させ失業率も大きく改善されてきています。しかし、その一方でこれからの労働力不足を懸念する声は大きくなってきており、それを補う生産性の向上が今後の課題とも言われています。

人手不足は、確実に賃金を上昇させていくでしょう。労働力不足に対応すると同時に、経済全体の労働生産性を引き上げることが求められています。こうした厳しい状況の中で、生産性や成長率を高めると同時に、女性の社会進出、女性の活躍の場も重要度を増してくると考えられ、「子育て環境」の課題に対しても、より一層の環境改善が求められます。

今後益々加速する「少子高齢化」問題。そして「生産年齢人口の減少」は全国各地で待ったなしの状況です。我々の住むこの町田市でも「少子高齢化」や「生産年齢人口の減少」の波は2020年をピークに訪れるという統計結果となっています。

この様な社会情勢の中で益々都市間競争は激化すると考えます。しかし我々はその苦難に立ち向わなければなりません。今こそ我々が青年として情熱と行動力を発揮するべきです。この街は小田急線とJR横浜線が交差しその乗降客数は都内でも有数を誇る街です。そんな環境に魅力を感じ今尚多くの若手経営者が集まってきています。今必要なのは町田という商圏の魅力のどこに焦点を持たせるかという方向性を示す事であると考えます。また、それにはターゲットの明確化や若年層の定住に繋がる街づくりも必要であると考えます。本年度はラグビーワールドカップが開催され、いよいよ2020年には東京オリンピック・パラリンピックを控え、そしてその先には多摩都市モノレールや小田急多摩線の延伸が遠くない将来に待っています。まさにこの街は大きな分岐点を迎えようとしています。だからこそ青年経済人の集まりである我々がより多くの若手経営者と共にリーダーシップを発揮しビジネス環境の構築を目指した運動を展開し、街の将来に夢を持ち続けていく必要があるのです。

【次世代がいきいきと育つ社会環境へ】

「少子化」や「生産年齢人口の減少」等の問題が山積される中で子ども達の取り巻く環境も大きく変わってきています。育児放棄等の虐待や子どもを狙った犯罪等、マスメディアで放映される度に目を覆いたくなる様な気持ちになるニュースばかりが目立つのが現状です。もはや待機児童解消や通学路の安全性の確保等、子育て環境の充実もさることながら、それだけ充実すればいいという時代でもありません。本来であれば子ども達を守るべき立場である大人が将来の国を背負う子ども達を傷つける事などあってはならないと思います。我々はこの様な現状の課題にしっかり向き合う事が大切であり、どの様な大人の背中を見せていくべきか、青少年教育の在り方をどうするべきかを議論しなければなりません。そして次世代を担う子ども達がいきいきと育つ地域環境を創造する必要があります。

我々はこれまで様々なイベントや事業を通じて子ども達への青少年健全育成に携わってきました。これからの社会状況を考えれば子ども達に今しか出来ない事をのびのび経験させ、様々な体験をさせる事が非常に大切であると考えます。そして、青少年育成と並行してやはり大人の教育に対しても、そのあるべき姿を議論する必要があると考えます。そして青少年健全育成と大人達の気概が醸成された時に初めて子ども達がいきいきと育つ地域環境が創出されます。本年度はこれまでの青少年健全育成と共に大人に向けた教育環境についても探求出来る運動を行って参ります。

【奉仕・修練・友情の魅力を伝える】

青年会議所には3信条があります。それは社会への奉仕・指導者訓練を基調とした修練・世界との友情です。青年会議所には日本青年会議所・関東地区協議会・東京ブロック協議会等、様々な出向の機会がありそれぞれこの3信条の基にスキルアップする機会が与えられています。世界には131の国と地域に国家青年会議所があり、全国には695の青年会議所が存在しています。青年会議所は地に足を付けた活動を行いながら、全国にそして全世界にいる多くの青年経済人と出会い、研鑽し合い青年経済人にあるべきリーダーシップを磨く事が出来ます。そして、その先に東京に、日本に、世界にアンテナをはる事が出来ます。 その為、多くの仲間と出会えるネットワーク構築や青年会議所で得られる素晴らしい機会を積極的に提供する事で魅力をより伝播出来る環境を創出し、将来の町田青年会議所を背負って立つ人材を一人でも多く育成して参ります。

また、町田青年会議所は2017年に台湾の神岡青年会議所と姉妹JC締結をしました。本年度で締結から3年が経とうとしています。町田市では現状として海外の都市と姉妹都市を結んでおりません。この様な環境下の中で、この姉妹JC締結は大きな意味あいのあるものになると考えます。だからこそ、この姉妹JC締結が相互にとってより実利あるものになる様にしなければなりません。本年度は相互協力の下、将来的にどの様な協力体制を構築出来るのかを真剣に議論し一定の方向性を位置付ける一年にして参ります。

【志高い人材の増強と原石の発見】

この街には今尚多くの若手青年経済人が大きな期待を胸にやってきます。しかし、その多くの若手青年経済人が町田という地域の実情を把握し人脈が豊かな訳ではありません。我々はこの様な地域を良くしたいという志高い人材の確固たる受け皿となり新たに町田を選んできた若手経済人のコミュニティを形成しなければなりません。そして、その先に会員拡大を積極的に行い、より意義のある運動展開をする必要があります。その為には我々の運動に共感を持って頂き青年会議所の魅力を知って頂く事が重要であり、我々が率先して地域社会の課題に取組み、行動を起こす事が重要です。先ずは町田青年会議所の運動史や青年会議所とは何なのかをメンバー一人ひとりに再認識してもらい、その上で各自の考える町田青年会議所の魅力を定期的に地域の若手経営者に伝える事が出来る環境を提供し続けなければなりません。本年度はメンバー全員で会員拡大を行う気運を醸成し、地域に積極的に出ていき会員拡大に繋げて参ります。

新入会員は将来の街を、町田青年会議所を担う原石です。しっかりとした人材育成を行い磨いていく事も必要不可欠です。会員拡大と人材育成の両輪を全力で回し続け、組織の強化に繋げて参ります。

【最後に】

国時代の名将武田信玄の言葉で「人は城、人は石垣、人は堀。情は味方、仇は敵」という言葉があります。どんなに強固な城を築いたとしても人の心が離れてしまえば国を治める事は出来ないという意味です。これは我々にも当てはまります。いくら社会的立場のある団体であっても人の心が信頼し合わなければ組織は力を発揮しない。いくらいい事業を行っても本当の意味で魅力のある組織にはならないという事です。この町田青年会議所の心はメンバー一人ひとりです。メンバー一人ひとりが信頼し合い、協調し合い、組織に愛着を持たなければ本当の意味で魅力のある組織にはならないのです。本年度はこの言葉を念頭におき家族・会社・社員への感謝の気持ちを忘れず、「One for all All for one」 という言葉がある様に一人は皆の為に、皆は一人の為にという言葉をモットーに運動を展開し5年後10年後の町田青年会議所を担う人材育成とあらゆる問題や課題にアンテナを高く張り将来の町田を創造する一年と致します。

 

【基本理念】

志を同じうする仲間が共に地域愛を育み議論し合う。
常に物事の本質を追及し、地域に必要とされる組織及び運動発信を創造する。
その先に心豊かな地域社会における自らの理想の夢を描く。

 

【基本方針】

・人材育成から運動発信する組織の確立

・地域と共に地域愛を育む運動発信

・次世代がいきいきと育つ地域環境の創造

・奉仕・修練・友情を基軸にした青年会議所の魅力発信

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